江戸時代の初期から、泉州(大阪府泉南地域)では、「みずなす(水茄子)」が栽培されてきました。
みずなすはその名の通り水分をたっぷり含んでおり、果実を手でギュッと絞ると、果汁がまるでレモンのようにほとばしります。泉州の農家では、夏の農作業で渇いたのどをうるおすために、水の代わりにみずなすを食べたと言われています。ジューシーで、浅漬けにすると最高です。
みずなすは一般的にぬか漬や浅漬で食されますが、歯をたてると柔らかい皮がぷっつりと切れ、ほんのり甘い果汁が口の中いっぱいにあふれます。さくさくとした果肉にはふくよかな香りがあり、野菜と言うより果物を食べているようです。
特に泉州南部泉南産の水なすは、皮が非常に柔らかく甘味があり、みずみずしく鮮やかな紫色で、その味は絶品です。美しい紫色の宝石を扱うように、大切に育てられるみずなす。その味わいは、食べる人の気持ちを清々しくさせてくれます |